あなたは“ため込み”が病気であることを知っていますか?その2

 しかし最近、この疾患は確かに強迫性障害に似ているものの、症状に対する不合理感や不快な感情は少なく、また初期にはむしろため込む行動に対して肯定的な気持ちを持つなど、強迫性障害とは異なる点も多く、独立した疾患ではないかという議論がされています。現在作成中の国際的な診断基準であるDSM-5では、Hoarding Disorder(ため込み障害)という独立した概念が提唱されており、強迫性障害と同等、もしくはそれ以上の潜在的有病率(2−5%)があるのではないかという報告がなされています。

 この疾患のもう一つの特徴として、生活に支障が出ない限りは周りに相談することもなく、治療を受ける機会もほとんどないので、本人や周囲が助けを求めるようになった時は、かなり病気が進行し重篤な状態になっていることがあげられます。こう書くと、みなさんは時々メディアで取り上げられるあることがらを連想されるかもしれません。そうです、いわゆるごみ屋敷として話題に出る家の所有者は、実はこの疾患が未治療で重篤化した状態である可能性があるのです。結果的にごみが堆積したようにみえても、実は元々は一般的な生活用品だったものが、使われないまま増え続けた結果、あのような状態になった可能性が考えられます。

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 文責:中尾智博